質問Q&A
質問
肺の黒くなったところはタバコをやめるときれいになるんですか。
医者でタバコを吸う人はいるんですか
タバコは一日何本までなら、吸ってもだいじょうぶですか。
なぜ、からだに悪いタバコを売るんですか。
タバコは20才になると吸っていいんだよね?どうして禁止しないのですか。..
おとうさんが「タバコを吸うとあたまがよくはたらく」というけど・・
ニコチンガムはどこで売っているの?ニコチンガムでどうしてやめられるの
タバコは何でできているの?なんですぐ死なないの?
「ふくりゅうえん」が「しゅりゅうえん」より有毒なのはなぜ?
タバコの研究を始めたきっかけは?
タバコは誰がつくったの?いつからあるの?
タバコは何からできるの?
ニコチンパッチを使うとどうしてタバコをやめられるの?同じニコチンなのに。
1)肺の黒くなったところはタバコをやめるときれいになるんですか。
(s.o.、他)
一度よごれた肺は、もとの肺にもどりません。
でも、すこしずつ、「たん」といっしょによごれはうすくなります。肺がんなどの病気びょうきのなりやすさも、5年間きんえんできると、すわない人とほぼ同じになります。思い立ったらなるべく早く禁煙をするようにいいます.
2)医者でタバコを吸う人はいるんですか
(e.a.、他)
するどい質問です。アメリカでは、タバコを吸う医者は少ないです。日本では10人で3人くらいの医者はタバコを吸います。いろいろな理由があると思いますが、タバコの害を良く知らないで吸いだして、やめたくてもやめられない人がほとんどです。タバコを止めにくいのは、医者もみんなのお父さんも同じです。
わたしも、最近までみんなが勉強したような、タバコにいろいろな害があるのをくわしく知りませんでした。勉強すればするほど、タバコは悪いことばかりでおどろきます。医者は病気のなおし方はよく知っていていますが、よく勉強した君たちよりタバコの害をくわしく知らないと思います。タバコの害を本当によく知っていたら、タバコを吸えなくなると思います。
3)タバコは一日何本までなら、吸ってもだいじょうぶですか。
(m.j.)
モルヒネやマリファナなどの「まやく」より、中毒になりやすいのがニコチンです。初めはイタズラで始めた一本のタバコでも、すぐに毎日20本以上を吸わないとだめになると思って下さい。
こじんごとに,からだに必要なニコチンの量は決まっています。ニコチンの少ないタバコに変えたり、タバコの一日の本数を減らしても、深く吸いこんだり、ぎりぎりまで吸ったり自分で調整して吸うので、吸い込こむ煙の量は同じと思った方がいいです。一日10本ぐらいのタバコに減らしても長続つづきする人は少なくてすぐ本数は元にもどるのです。「きっぱり、0本にしてやめるのが、結局、楽だった」と禁煙に成功していった人たちが、よく言います。
きみたちは、いたずらでもタバコに手を出さないのが一番です。家族のひとで、タバコを吸う人がいるならば「本数を減らすより、思い切って0本にしたほうが楽だよ」と教えてあげげてね。
4)なぜ、からだに悪いタバコを売るんですか。
タバコは20才になると吸っていいんだよね?どうして禁止しないのですか。
(y.t.)
いい質問です。たぶん、いろいろな理由があると思いますが、わたしは、第一は、お金のためと思います。
以前タバコをつくる会社は、国の予算を決める「おおくら省」が管理する専売公社(せんばいこうしゃ)でした。
また、ノーベル賞を取ったりオリンピックで優勝したり、いいことをして、天皇からもらうプレゼントもタバコです。タバコは国が作ってみんな
にどんどん吸いなさいといって売っていたのです。今でも会社の株を過半数持って、たばこを国が作っていることに大きい変化はありません。タバコのお金の約半分は税金といって、国や町のお金になります。
国は、お金が必要なので、吸うなと言えないのです。
国は、きれいな写真や有名な人をコマーシャルに使って、吸え吸えと「せんでん」したですから、急に「本当は害があるから禁止」とは、言えないのです。
もし、タバコを管理する役所が、健康を守る厚生労働省だったら、おそらく、タバコを禁止するでしょう。お金を管理する財務省が、タバコを作る会社を管理しているのだから、「健康よりはお金の方が大切」となるのだと思います。
国のやることも、間違うことがあります。エイズウイルスの入った血液製剤(けつえきせいざい)を「ちゅうしゃ」されて血友病の人が、エイズになって死んでいく事件があったのを覚えていませんか。国と製薬会社は悪いのを知っていて、お金のためにエイズウイルス入りの注射を続けていたのです。
タバコも同じだと思います。アメリカでは、タバコ会社が「健康に悪いのを知っていてタバコを売りつづけた」とうったえられてばっ金を払はらっています。日本でも同じになる可能性があります。
5)おとうさんが「タバコを吸うとあたまがよくはたらく」というけど・・
(o)
タバコを吸わないと頭がボーッとしてきます。ニコチンが切れるからです。
タバコを吸うと、少しは頭が良く働くような気持ちになりますが、吸わない人と同じ状態まで回復しているだけなのです。タバコを吸って頭が良くなるようなら、みんな勉強なんかしませんよね。タバコを吸う人の仕事の能率は、吸わない人より悪いのです。
6)ニコチンガムはどこで売っているの?(y.m,他.)
ニコチンガムでどうしてやめられるの(k.k.)
ニコチンガムは、
2001年9月から町の薬屋さんで買えるようになりました。劇薬といって取り扱いに注意しなくてはならない薬です。ところが、同じニコチン
で、ニコチンの量はもっと多いタバコは自動はんばいきで、こどもでも買えます。ちょっと、変ですね。
ニコチンガムには、ニコチンだけがはいっています。ニコチンは発ガン物質ではありません。中毒の原因になる薬です。禁煙のときの、イライラなどの禁断しょうじょうをおこらないようにできます。はやく、タバコを吸わない習慣
(しゅうかん)をつけることができます。
かみかたが、普通のガムと全然違うので注意が必要です。あまりかまないで、口のねん膜におしあてるのが「こつ」です。
7)タバコはなにできているの。どうして、すぐには死しなないんですか。
( e.s.)e.s.)
ナスのなかまの植物しょくぶつの大きな葉はっぱをほして、細かくきってつくります。葉はにニコチンがはいっています。山形でも、育そだてているところがあります。
子どもがタバコ1本をまちがって食べると、ニコチン中毒ですぐに死にます。子どもの事故じこで、灰皿はいざらのたばこをまちがって食べたり、灰皿はいざらがわりにした缶かんジュースを飲のんでしまう事故は多いのです。病院びょういんでは、チューブで胃いの中を洗あらったり注射ちゅうしゃをしたり大騒おおさわぎぎになります。
普通ふつうは、煙けむりを吸うので、毒も少なくなってすぐ死ぬことはありませんが、タバコを吸うことは、「ゆっくりした自殺じさつ」と同じと言われています。
タバコに含まれる「タール」のことを覚おぼえていますか。タバコのけむりをハンカチにつけると茶色になった原因です。実験で動物にがんを作った日本人がいます。ウサギの耳に「タール」を毎日ペタペタとぬったら、半年で皮膚にガンができたそうです。タバコを吸うことは、のどや肺に「タール」を毎日ペタペタぬるのと同じです。長い間にガンなどいろいろな病気の原因げんいんになるのもあたりまえですよね。
8)副流煙ふくりゅうえんが主流煙しゅりゅうえんより有毒なのはなぜ?
(s.t.)
主流煙は強く吸い込むときに高温で燃える時の白い煙で、副流煙は低温で燃えるときに出るむらさきの煙なので、性質が違うのだと思います。副流煙はアルカリ性、主流煙は酸性です。アルカリ性の方が、しげきが強いです。また、主流煙は、タバコのフィルターを通るので、タールやごみが減ります。発がん物質などの有害物質は数倍、副流煙のほうに多く含まれることになります。
9)タバコの研究を始めたきっかけは? (a.t.)
わたしの仕事は、CTやMRIなどの機械を使って、かんじゃさんのからだのなかを調べることです。いろいろな病気の人を知っています。肺がんになると、多くの人は、1〜2年で死にます。肺気しゅになると、息が切れて酸素ボンベがないとトイレも行けなくなります。「こうとうガン(のどのガン)」では、声がでなくなります。病院では、タバコを吸わなければ、もっと楽しく長生きできたのにと思うひとがたくさんいるのです。
病気になってからおそいので、なる前に予防するのが一番。そのためには「禁煙をしどうするのがいい」と考えてタバコの勉強を始めました。
10)タバコはだれが何のためにつくったの?
(a.y)
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「たばこ」の習慣は、南アメリカ大陸のボリビア周辺で始まったと言われています。マヤ族は、たばこを、宗教上の儀式(ぎしき)などに使っていました。
コロンブスが1492年に西インド諸島のサンサルバドル島を発見し、この島に住む先住民が、コロンブスの一行に贈った品のひとつが「たばこ」の葉だったと記録に残されています。スペインに残っている記録には、1601年(慶長6年)にスペインの聖職者一行が、伏見で徳川家康に「たばこ」の膏薬(こうやく)と種子を献上したと記されています。 |
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日本には1600年まではタバコを吸う人はいなかったということです。一般に広まったのは、ごく最近で、タバコを吸う習慣は、新しい習慣といえると思います。原住民は、タバコを薬と思って、間違って使っていました。タバコはその中毒の強さから、世界中に広まってきました。
タバコが無かった江戸時代の前でも、人間はもちろんきちんと生きていけますし、源氏物語などすぐれた文章も書くことはできるのです。
11)タバコは何からできるの? (n.m.)
「たばこ」の原料は、ナス科ニコチアナ属の植物(学名:ニコチアナ・タバカム,ニコチアナ・ルスチカ)の葉を乾燥(かんそう)させたものです。下が、タバコの葉の写真です。山形でも作っています。葉を小さく切って作ります。ちいさい葉っぱからたくさんの本数のタバコができます。
タバコにいろいろな種類があるのは、においを変えるためにいろいろなにおいの元を加えたり、アンモニアを混ぜたりしているそうです。
アンモニアを混ぜると、煙がアルカリ性になって、ニコチンがよりたくさん体に吸収できるようになります。表示では、ニコチンが少ないタバコでも、実際は、たくさんのニコチンが体に入ってしまうことがわかっています。
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12)ニコチンパッチを使うとどうしてタバコをやめられるの?同じニコチンなのに。 (t.m.)
タバコもニコチン。パッチもニコチンですから、不思議ですよね。タバコは一生やめられないのに対して、ニコチンパッチを2ヶ月以上はる人は、ほとんどいません。だいたいは、1ヶ月半もすると必要なくなります。
ニコチン(タバコ)を含めさまざまな中毒を起こす薬は、体の中の濃度が上昇するときにとてもいい気持ちがするのです。
たとえば、かくせい剤は、一度使うと、「天国」まで上るようなとてもいい気持ちがするそうです。いい気持ちは、すぐになくなって、その次におそってくるのは、だるさや疲れた感じなどとてもいやな感じです。耐えられないような、皮膚から虫がわいてくるような異常な気持ちの悪さです。いい気持ちになればなるほどその程度はひどく、また続けてかくせい剤を使わないとダメになり、一度でも使うと、やめられなくなります。
タバコも同じで、吸った瞬間は、クラーときてホッとする感じがして、「二階くらいまで」登るようないい気持ちがします。ニコチンの濃度が急に上がるからです。効果が切れるのも早く、30分もするとタバコが切れて吸いたくてしかたなくなります。かくせい剤と同じで、一度、使うとその気持ちよさを求めて、やめられなくなります。
それとは違って、ニコチンパッチは、常に一定のニコチンしか体に入りません。同じ薬剤でも一定の濃度で入る場合、吸ったときのような、とてもいい気持ちはしません。でも、タバコを吸わなければならないほど、イライラもしない状態が続くのです。やめる気持ちがある人がはれば、あっという間に禁煙に成功していく人も多いです。
この血液の中の濃度が上下しないことが、同じニコチンでも簡単にやめられる理由と思います。
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